2022年記事一覧
開発ストーリ更新:Autoスピーカの開発4
Autoスピーカの開発4:ノイズ不具合
やられました。
突如不具合を発見し、解決に心血を注ぎました。(ようやく解決です)
最終的なサウンドチェックとしてボリュームを入れて聞いたら、盛大にノイズが発生しました。しかもボリュームを回すと途中(2/3程度)まではノイズがどんどん大きくなり、回し切ると消えます。当初は入力インピーダンスの不整合と思い、色々対策したのですが解決しませんでした。しかし、あきらかに入力回路の不具合です。通常、入力は作動増幅器のベース(FETならゲート)に入力され、アンプを構成するとかなり高いインピーダンスになるはずですが、どうやらこのICはそうなっていないようです。さらにボリュームを途中まで回すとどんどんノイズが大きくなり、回し切って直結に近くなるとスッとノイズが消えます。どうやら入力回路は差動回路になっていないようです。
どうにもならないので、別のアンプに変更したら全て解決しました。
今回、アンプモジュールは自社設計よりもはるかに安い中国製を使用しており、そのアンプのICは有名なテキサスインスツルメンツ社の型番を真似たまがい品でした。それでもかなり良い音がするので、そのまま使っていたのですが、入力にボリュームを挿入すると途端にノイズが出ます。中国製の模造品は必ずどこかにおかしな動きが出るようで、決して使わない方がよろしいかと思います。
中国製品が中国製品として売っているものはそういった変な不具合は少ないように見受けられます。中国製品の使い方のノウハウになるかもしれません。
また、入力カップリングコンデンサをフィルムコンデンサに変更したら、確実に音質が向上しました。とくに中高音の解像度が1ランク上がりました。一つ一つの楽器の音の粒立ちが大変良くなりました。まさにハイエンドスピーカの音質です。中国製として正しく売っているアンプモジュールを適切に使い、ポイントにオーディオ用の部品を使用することによって大変クォリティの高い音質になります。
しかし、問題解決に多くの時間がかかり遅れてしまいましたので製品化するべく先を急ぎます。
開発ストーリ更新しました:Autoスピーカの開発3
Autoスピーカの開発3:アンプボックス完成
スピーカエンクロージャの中に組込むアンプボックスが完成しました。かなり狭い空間の中に多彩な機能を詰め込んでいます。最初の実装はとてもとても大変でした。(-_-;)
狭い空間に多くの基板を入れ、立体的な配置を行いつつ、きれいに配線する必要があります。この狭い中でも内部は100V~DC電源系、音声信号系統、制御信号系統にすみ分けています。またBluetoothのモジュールはアンテナの都合上前面に配置しています。これを効率よく配線するできるように組立手順や配線ルート等を整理していきます。この辺がプロの技という部分になるんでしょう。。。(^-^)
もともと、通常販売されているパワードスピーカやBluetoothスピーカとは完全に一線を画す高機能・高音質を狙っています。
- 電源回路
通常ACアダプタを使うことによって電源回路は外に出しますが、12V/3AのACアダプタとなると大きさも大きくなりとても邪魔になります。それは当社の理念である「Quality Space and Quality Time」に反します。そこで、電源回路も内蔵させ、外部は100Vのコンセントに挿すだけで使えるようにしています。 - デジタルアンプ(D級アンプ)
この大きさで発熱しないアンプとなるとD級アンプしかありません。TPA3118相当デジタルアンプを使用しています。
また、アンプのスピーカ出力は左右両方ともスピーカ端子に出しています。
よく、左チャンネルは直結で外に出さず、右チャンネルだけケーブルを接続するものがありますが、それではボリューム他アンプの入ったスピーカは右側に置かなければなりません。本スピーカはどちらにも対応できます。 - USB-DAC
音が良いと評判のPCM2704を使用したUSB-DACを搭載しています。長年使用してきたICで、下手にハイレゾにするよりとても高音質です。 - Bluetooth
Bluetooth5.0対応のモジュールを採用しています。このスピーカを置いてコンセントに挿せだけでとりあえず使えるようになります。高音質で聞きたい場合はUSB接続推奨です。 - 外部アンプを接続し、スピーカ単体での使用も可能
アンプ部とスピーカ部は完全に独立しているので、外部の高品質アンプを使用してスピーカだけを使うということも可能です。6畳から10畳程度の部屋であれば、メインシステムとして使用することもできます。
オーディオマニアと言われる方たちだけでなく、全ての人に高音質と便利さの両方を提供したいという願いです。
過去の支援・委託の実績詳細を紹介
この度、Ground Hills 創業以前も含めて、過去に行った委託開発、支援、試作や製作代行等について具体的に10件ほど公表しました。小さな製作代行から、かなり大きなシステムの開発まで対応して生きています。何かあれば是非ご相談ください。もちろん相談に費用は発生いたしません。
開発ストーリ更新 Autoスピーカ
Auto スピーカ セレクタ機能用音声信号検出回路のチェック ⇒こちら
Autoスピーカの開発2:信号検出回路の確認
Auto Speakerは、各入力チャンネルの音声信号を検出し、その変化状態により自動的に適した入力に切り替える。まるでユーザーの意図を理解しているかのように必要な入力に自動的に切り替わる様にしたい。プログラム処理のシーケンスはユースケースから状態遷移を導き出すことによって可能だが、安定した音声信号検出回路が不可欠だ。しかも品質や製造効率等からシンプルな回路が必要。
そこで、オペアンプを利用したL/R加算器および短電源半端整流・増幅回路とAD返還後のデジタルフィルタの組み合わせで信号検出を行うことにした。そのアナログ回路のチェックである。ノイズの大きな環境でも十分検出できることを確認した。使いやすい高機能パワードスピーカになると思われ、楽しみだ。
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